MR.BIG live @ Budokan, 2009/06/20

MR.BIG at Budokan


終演後の耳鳴りは、音が大きかったからだけじゃない。客席の拍手と歓声も爆音だったからだと思う。

MR.BIGを知ったのは高1の部活の時で、バンド内のもう1人のギタリストがPGM300(メイプル指板の方)を持っていたのがきっかけ。ほどなく、先輩からYOUNG GUITARの別冊や教則ビデオを大量に借りて、ひたすらポールのギター・プレイに触れていた。

しかし当時、バンドは既に活動休止状態。私がポールを観られたのは99年『FLYING DOG』ツアーの福岡公演が最初だった。次は2003年のNY。マイク・ポートノイやニール・モーズとやったビートルズのカヴァー・バンドだった。そして’06年、『GET OUT OF MY YARD』のクリニックが最後で、2年前のレーサーXも、最近のフレディ・ネルソンとのコンサートも観逃す始末…。がしかし、晴天の霹靂みたいな再結成ライヴの報せが。今度は、大本命だ。

「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」という豪快なスタート。2曲目の「Take Cover」ではステージ後ろのスクリーンに『HEY MAN』発売当時のPVが…。これにはやられた。本当に感極まり、泣き崩れそうになった。ヴァース部分のアルペジオはポジションが変わってる。それから「Alive And Kickin’」「Temperamental」「Green-tinted Sixties Mind」…キメ、ソロ、フィル、メンバーの動き…何でもすぐに思い出せる。いろんなビデオで観尽くしてきたエリックの歌、ニコニコしながら叩きまくるパット、ビリーとポールの掛け合いが、本当に目の前で繰り広げられてる。全部歌いながら、エリックのヴォーカルも聴く。そこそこ好きなアーティストを観てる時とは違って、現実に引き戻される隙がなかった。ステージ上の4人ももちろん、とってもとっても楽しそうだった。

数曲終わった頃、アリーナ席の真ん中に設置された花道まで4人がやってきて、2階席の一番端っこまで埋まった会場に手を振って挨拶してくれた。実は私の席は、その花道の真横のブロック。これは近い〜!

ポールは3〜4台のマーシャル・アンプをバックに、PGMをとっかえひっかえ。最新モデル““Fireman”、“PGM200”系の水色“Fireman”みたいなのに“菊水”と文字が入ったモデル、サンバースト、“PGM300“…PGM300は「Promise Her The Moon」とか「Just Take My Heart」などでも弾いてて、これはクリーン・サウンドがかなり良かった。対して“Fireman“はケバケバしいほどのトレブリー・サウンド(笑)。ソロで聴いてるとちょっと辛い(昔の方がまだ音良かった!?)けど、バンド全体と合わせると良い感じに収まってた! 何にせよ、やっぱりMR.BIGで弾いてるポールっていう、この図式がいいんだよね。これは、自分が自発的にギターを真剣にやりたいと思った原点の部分だから。

パットって、キックの音が重いわりにスネアが軽いんだ。しかも、以前は2バスだったけど今回はツイン・ペダル仕様。太鼓もシンバルも、パットのサウンドはクリアなところが好き。ソロの最後は、「The Long And Winding Road」を歌いながらヘヴィに叩いてくれた。正直昔やっていた「Yesterday」が聴きたかったけど、こちらも新しくて良いんじゃない?

ポールのソロに入ってる、人間カポ(笑)が必要な両手タッピングの曲があるんだけど、そのフレーズをダブルネックのPGMとAttitude(グリーン)で、ポールとビリーがユニゾンして、エリックとパットがカポ代わりにフレットを押さえていた(笑)。観せるね〜〜。

ビリー以外の3人がアコを片手に歌った「Wild World」「Going Where The Wind Blows」、最初アコで途中からエレクトリック・ヴァージョンに戻った「Take A Walk」…ビリーの超絶ソロ後の「Addicted To That Rush」は途中でブルース・ナンバーを挟んだり…「Stay Together」もミュージック・ステーションの録画したのをテープがおかしくなるまで観てたほど、大好きな曲だ。「Price You Gotta Pay」では、ビリーがハーモニカを吹いてる間にエリックがベースを弾く二人羽織プレイをちゃんとやってくれた。

アンコールでは昔の写真がスクリーンに流れる「To Be With You」。この曲がどこに来るか注目してたけど、順番も見せ方も最高だった。…と泣かせつつ、その後は「Colorado Bulldog」でガーンと盛り上げる。また引っ込んだと思ったら、今度はポールがドラム・キットに座り、エリックがギター、パットがベースでビリーが歌う「Smoke On The Water」。ポール、ドラム上手くなってる(笑)。多分エリックはリッチーのソロが弾けないだろう、と思っていたら、そこでギターはビリーにバトン・タッチ。これがまた、完コピ・ソロで…(笑)。ここからはエリックがベース、パットがヴォーカルでね…。玄人の集まりならではの快演だ。

「I Love You Japan」「Baba O’Riley」で終了かと思ったら、「もう1曲やる?」と顔を見合わせて、「Shy Boy」で一番最後のフィニッシュ。かっこいいぞ。かっこいい。

あまりに濃くて、気持ちが入ってた事もあって、数時間は経ったと思っていたのに、時計見たらまだ7時半! 5時過ぎに開演だったから…2時間半弱って事?(@@)

実は新曲もやってくれてたんだけど、聴かずに来てしまいました(^^; そこで疑問なのが、やっぱり「これからどうなるかな?」という事。One off eventのまま(今回っきり)かもしれないし、新作が出るのかもしれないし…音楽ビジネス的に、CDの売り上げが絶賛下降中(汗)な現在、特に今回は(当然ながら)過去曲のオンパレードで長年抱えていた熱い思いをファンもメンバーも分かち合えたと思うけど…それに加えてそもそも名曲ばかり持ってるバンドなので、もう1回こういうのやってくれてもまた人は集まると思うけど…今後新作が出るとすれば、これまでの名曲に並び、それを超えるような作品でないとただの思い出バンドになってしまうよね。テクニックもセンスも磨かれた人達だけに、それは高クオリティの作品が生まれてくるとは思うけど…やっぱり新作よりも昔のアルバムを聴いてしまうバンドって多いと思う。<青春時代的なものも関わってるしね! ま、何もかも、総ては音楽が語ってくれるはず。これ以上は、本当に新作が出た時に考えよう。


今はただ、10数年前の思い出と叶うはずのなかった夢が実現した嬉しさでいっぱいでございます(笑)。

Comments

  1. 白頭老8:23 PM

    そうそう、そうだった、と2週間前の興奮がよみがえってました。パートチェンジはなかったけど、他の部分はたぶん全部一緒ですね。

    Firemanの音は札幌公演ではそれほどキツくは感じなかったんですよ。むしろ違和感なかったので、今回のMegさんのレポ読んで会場のせいかな?と思ってました。
    私の場合はむしろビリーのベースが爆音でポールの音がとりずらかったですね。

    あと、一番びっくりしたのが、2003年のNYのくだり(笑)。あれ、見てらっしゃるんですねぇ・・・(ため息)

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  2. なるほど〜、白頭老さん、左側でした? 私右側でした。やっぱり、場所に寄るんでしょうね。それでも,武道館ながらわりと音の良い位置だったみたいです。

    そーですかー、全部一緒でしたか〜〜(^^) 今日も仕事しながらiPodでMR.BIGばかり聴きまくってましたよ〜〜。涙腺がゆるみますね…。今日の横浜も観客を泣かせたんでしょうね〜〜〜。

    <2003年のアレ
    これですよね!
    やはりアメリカに行くとMR.BIGというのは一部のギター・ファンの間以外では知られざるバンドなので、確かポールがアメリカでプレイするっていうだけでも行かなければ!と思って行ったような気がします。その頃、わりとMR.BIG的な音楽からは離れていたけど、それはそれは弾きまくるポールを間近に観られて嬉しかったです♪
    ライヴレポも一応(笑)

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  3. 白頭老6:26 AM

    思いっきり左側でしたww
    ビリーも大暴れしてましたよ。

    それです、それ。
    私の音楽への「入り」がビートルズでしたので、このアルバムは(CD,DVD共に)絶賛購入しました。
    生で見ているMegさんが心底うらやましい。

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  4. 音楽への入りとなると、思い入れも半端なものではないでしょうね。私なぞが観てしまって、若干申し訳ない気が致しますm(__)m

    ビリーも大好きです!! もっと大きな音で聴きたかったんだけど、やっぱりバランスが席によって偏ってたって事でしょうね。それにしても、4人しかいないのにこの音の厚さ。ギターがソロを弾いてたって、ちっとも物足りなさを感じないところ、いかにビリーのベースのサウンドが周波数的にリッチかという事を物語ってるような気がします。

    右肩にストラップを回す姿もイイですね〜。

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