SONGCATCHER

深夜にやっているTVが面白い。私のお気に入りは2つ。1つは名曲アルバムみたいな、世界のいろいろな町並みや電車の旅、人々の生活などを観せてくれる番組。もう1つは新旧取り混ぜたいろいろな洋画だ。

今日も久々に時間が出来たから、締め切り前の体内時計を利用して(?)TVを付けると、ちょうど『SONGCATCHER』というアメリカの映画をやっていた。<見終わってから調べたんだけどね

1900年代初期に、とある女の音楽研究家博士みたいな人がノース・カロライナの山奥に行く事になり、そこでアパラチアの山で暮らす人たちの間で歌い継がれている伝統的なフォーク・ソングに魅せられて、それらを記録・録音して世の中に伝えようと頑張るけど…というあらすじ。(「けど」という部分が大事!/笑)

一番良かったのは、やっぱり音楽。ふと、誰かがバンジョーやバイオリン(フィドル)を持ち出して弾くと、相方がそれに合わせて歌い始める。大人も子供も男も女も関係ない。煙たがられていた地上げ屋みたいな人まで、歌が上手い。いつでもどこでも、何があってもなくても歌って踊って…ありがちな、都会の文化からは身も心も閉ざされているし、習わしを乱せば鉄砲が突きつけられるような所だけど、そんな良くも悪くも粗野な自然の中でずっと保たれて来た音楽そのものや、それを不意に歌い奏でる人たち…それが感動的だった。

そして、その歌声が響き渡る中で映し出される風景がとっってもきれい。緑の山、小さな川、それから大きな夕焼け! 場所は違うけど、ワイオミングで見た荒れ野に沈む夕日を思い出した。それぐらい鮮明で静かで、美しかった。

現代なら、録音されていない音楽のスタイルなんて皆無に等しいのかもしれない。でも映画の時代では、この博士が重たい蓄音機と紙の五線譜を持って山の中をかけずり回らなきゃ、この人たちが歌っていた音楽は山を降りる事はなかった。その努力のかいあって凄い音楽に出会えた時の感動は、送る方も受け取る側も、半端じゃなかっただろうな。私だってこの映画を観なければ、カントリー系の音楽なんてザック・ワイルドのチキン・ピッキングをなぞる程度で一生を終えていただろう(笑)。

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