Joe Bonamassa Live @ Nihon Seinenkan 2012.9.19
アルバム通して聴いた事はそんなにないけど、上手いというのは知っていた、ブルース・ロック・ギタリスト。そのキャリアは華々しく、12歳でB.B.キングの前座を務めたところから始まって、バディ・ガイ、ロバート・クレイ、スティーヴ・ウィンウッドなど大御所ギタリストとの共演を若くして果たす。これまでに10枚のスタジオ・アルバムをリリースしている上、半分以上がブルース・チャート1位に輝くなど、アメリカ本国では半端じゃないその人気。日本では、まだまだなんだけど…。
そのぐらいの知識をもった上での、今日のライヴ。アコ−スティックとコンガのシンプルなセットから始まって、バンドが入ってエレクトリック(レスポール)に持ち替えて放った最初のサウンドにノックアウトされ、早くも涙が出た。なにー! めっちゃくちゃいい音ー! 丸くて温かくて、それでいてかなり歪んでいる。
緩急様々のブルースを中心に、歌ものやファンクも含めていろんな楽曲を披露してくれたけど、もう、これはこの人の世界だっていうのがよくわかった。どの曲も、ブルースなんだけど3コードだけに終わらない…とか、マイナー調で憂いを含んだ歌もの(結構多い)なんだけどポップスじゃないとか。聴けば分かる。主なコード進行や使っているフレーズが、ブルースを基調にしつつも、なんかもっとメロディックで多彩だ。そんな印象が強かった。モダンといえばいいのかな。例えばスライド・バーも使ってたけど、その時に出した音はブルージーなフレーズをボトルネック奏法で弾くという昔ながらのアレではなく、まるでアームを使ってるようで、固定ブリッジでアームのないレスポールから上手いことスムーズに音程を変えたところがポイントだったように思う。伝統を受け継ぎ次世代を担うギタリストって、まさにこういうスタイルの事を言うんじゃないのかな。
バンドはオルガン&キーボード、ドラム、ベースそして歌とギター…のシンプルな4人編成だけど、ソロをとるのはジョーのみ。他の楽器の見せ場といえばちょっとドラムが目立つぐらいで、とにかくギター1本で楽曲もバンドも引っ張っていた。なぜかソロを執る時は、マイクが置かれたステージ中央ではなく、まるで「今はギタリストの役目」とでもいうようにかならず下手側に寄っていたのがちょっと不思議。
といってもこのバンドがまたガッチリしてて上手くて、名うてのベーシスト、カーマイン・ロハス(D・ボウイ、R・スチュワート他)は真っ赤なベースを高めの位置に構えて低音を支え、ハード・ロック・スタイルの時は前に出てベースラインを熱演。こちらもワールド・クラス・ドラマーのタル・バーグマン(B・アイドル、C・カーン、E・ジョンソン他)はハードロックっていうかメタル的なアティチュードながら、タメ気味のスロー・ブルースなプレイも難なくコナす幅広さ(ドラムだけでなく、映画音楽も手がけるらしい)。リック・メリック(主にオーストラリアで大活躍)のオルガンはもっと目立っても良かったけど、横で回っている(とおもわれる)レズリー・スピーカーの茶色い箱が、いい味と音を出していた。
最後にちょっとだけ、カヴァーも披露。ビリー・コブハムの「Stratus」、ベックも前やってたっけ…ずるいよこのリフ。ビリー・コブハムかっこよすぎ。それから「Dazed And Confused」を一瞬。あと何かあったかな…まあそんな感じで、今日のセットの中で知ってる曲は新曲を含む2〜3曲以外にこの2つしかなかったけど、それで良い。これから聴いてみればいい。
"ジョー・ボナマッサとは”の問いかけにあらゆる角度から答えをもらった2時間だった。
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