富士山日記その3
山小屋に着くと雨が降り出した。とりあえず宿泊場所を確保。ロフト形式の上の段に陣取った。4人ぐらいがいっぺんに休める簡素な寝床、なかなか良い感じ。
一部屋に寝袋が4つ |
1階の広間に用意されたカレーライスを揃って食べたら、後は仮眠タイム。まだ19時になるかならないかだけど、外は本格的に降り出した雨の影響もあって薄暗く、寒い。日の出が見られるならば頂上まで登山できるけれども、正直なんとも分からない状況。ガイドさんが、私達の仮眠中に時々状況報告をしてくれることになった。
日の出が見られる時のために、ここで防寒着を借りた。500円。でも、見られなかったらあんまり意味ないか…
本日の夕ごはんと明日のお弁当 |
ここまで高く登るに連れて周りの人との会話が増えたおかげで、ある女性と仲良くなった。ご飯の後でいろいろな話をしていると、このツアーに参加したきっかけが、どうも私らしい。
かいつまんで説明すると。
1週間前の私:どっか行きたい。そうだ富士山登ろう。ツアーないかな。
1週間前の彼女:7月のご来光すっごく良かったから、また行きたいなあ。
数日前の私:やばい、登山ってもうすぐシーズンオフになるんだ。このツアーあと2席しか空いてないから、ここで決めちゃうか。えい(ポチッ)
その直後の彼女:あっ、こないだから見てたこのツアー、2席あったのに1席になっちゃった。私も行こっ(ポチッ)
↓イマココ
「こんな事、あるんだね〜〜!」
友達の1人はできるかな、と思ったけど、まさかこういう形になるとは、なかなかおもしろい!
さて、トイレなどを済ませて2階に戻ったら仮眠。朝、ご来光を見られるときのために備えて………
雨風が強く叩きつけるのを聞きながら…寝る…
こりゃ、無理そうです。
雨の中のトイレ、有料200円。雨宿りは罰金 |
寝静まった山小屋に時折ガイドさんの声が響く。
「2時です、もう少し様子をみます」
「4時です、頂上に登るのは中止にします。明日の集合は7時」
そっか…
翌朝。
虹が出てた。
虹が |
高度3600mで虹。あたり一面、雲海。これはつまり、つまり帰り道は雨だよってことだ。
下山は地獄!!
ひたすら歩かなきゃならない。雨が下から降ってくる。やんだと思ってメガネを拭くと、上から降ってくる。またやんだと思ったら降ってくる。ひざに負担がかかって1歩1歩が痛い。おまけにくるぶしが靴に当たり始めた。タオルを挟んで応急処置するけど、ずれてまた痛む。毛糸の帽子と手袋はびしょぬれ。
友達と2人だったから良いものの…とにかくいろんなものと戦って、ようやく命からがら降りられた…といったところだった。ひざが、何日も長時間正座し続けた後のように痛かった。
それでも、山頂まで登ることがなくなったので予定よりずっと早く5合目に到着。ゆっくり休むことができた。おみやげ屋さんに顔を出したり、新しく出来た友だちといろんな話をしたり。
雨具も靴も砂利で汚れてしまったので、道具をレンタルしてほんとによかった。自分じゃよう手入れしないもん…
やがて出発の時間になった。
帰りのバスに乗り込んだ私達、ガイドさんの最後の挨拶を聞いていたのだが…なんと外からお呼びが。しばらくすると「予定が変わったようなので、これからまた登ってきます」とバスを後にして、再び山頂を目指して行ってしまった。なんと…!!
途中に立ち寄った温泉宿でご飯を食べ、ささっと体を洗ってまたバスへ。新宿、東京、横浜のうち、新宿で降りる私
達はまだ車内に残っている他の参加者の皆さんに挨拶をした。なんだかとても名残惜しい。総てが完璧とは行かなかったけど、何かを一緒にやり遂げた感じがした。みんな一人で来たくせに、また会えないと思うと余計感慨深かった。
友達が帰りのバスに乗るまでの間、新宿ルミネの地下でタイ料理を食べたり、時間つぶしのために、新宿時代に利用していたネットカフェを紹介したりして、あっという間におしまい。
次はご来光見ようね、と約束して別れた。
そう、総てが完璧とは行かなかったけど、富士山とはどんなものかがよく分かり、最高に面白い体験が出来てよかった。
自分の体力もまだまだいけそう。
必ず、リベンジしないとね。
(おわり)
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