ピッキングしないギタリストになることにした
常々、同じ事を繰り返すのが苦手。努力が苦手。そのくせ自分のギターヒーローが、エディーとかポールとか、キコとか、テクニカルな人ばっかり。
具体的に言うと、いまだにBPM100でも満足に16分音符を連続して刻めない。そのくらい、ギターは下手。だって練習してこなかったからね。学校でもギター専攻してたくせに。
ムラッ気のある練習意欲はあったけど、突き抜けるほど上達した事はほとんどなかった。だからもはやギターなんて弾かなくてもいい、無理して出来ないものを練習しようとしなくてもいい。残念だけど私にはその才能ないみたい。…それで、”ほったらかす”という結論がついてギターを置き、数年が経った。
でも、ここ最近、というか、キコのライヴを観たあとぐらいからいろいろ考えて、今日気持ちが固まった。それは、やれる事をやればいいんだという事、楽しめばいいんだという事。…超当たり前! そうなんだよね、すごく当たり前の事だ。でも、実行に移す事の難しさ…。
私はもうピッキングしない。苦手だから。これまではピッキングの練習しようとするから、辛かったんだ。
私はタッピングが好き。
タッピングが好きなこと、別に認めるとか、極めるとか、勝手にすればいいんだけど、ちょっとコンプレックスだった。だって、ジェニファー・バトゥンでしょ。EITAでしょ。ええっと、そう、女性ギタリストにはなぜかタッピングが得意な人が多い。そりゃスタンリー・ジョーダンとかマイク・ゲレロとか、男性もいるけど、なんかこう、女性ギタリストといえばタッピングってのが、ありがちなパターンっていうか…(笑)この悩みは自分だけの世界だな。あ、そうだ、スポーツは左利きだ。これもピッキング苦手な理由の1つかなあ。
特に、右手でタッピングするのが好きだ。振り返ってみればこの10年で真剣にコピーしたのはサトリアーニの「Starry Night」とキコさんの「Tapping Into My Dark Tranquility」ぐらい。叩くの楽しい。リズム楽しい。下手だけど(笑)楽しい。
そこでもう、かっこ良く弾いてみたかった刻みのリフは捨てることにした。ちょっと残念だけどそれがいい。大好きなパンテラやヴァイやメタリカを極めようと思って頑張らなくていい。「Mouth For War」や「Enter Sandman」のイントロぐらいは弾けるから、それでいいや(笑)。これはこれで凄く楽しいしね!
ちなみに、最近カフェで仕事してると、「この人好きなのかどうかわかんないけどこっちの人も良くしてくれて、どうしたらいいか悩んでるんですわたし」なんていうドンズバな恋愛話をものすごくよく聞く。
でもなんか、私の場合はいつも何でもそうなんだけど、本当の運命みたいな出来事はドキドキも焦りも恐れもなんもなく、ただ自然にやってきて、気づいたら一番力強い存在になってる。ギターだってそう。自分から選んだ楽器じゃない、バンドでやる人がいなくて回ってきただけなのに、人生の一部になってる。(いまだに好きでも嫌いでもないけど)もっと細かく言って、タッピングってのは、テクニックの中でも自然な方に感じているんだから、それでいいんじゃないか。
そういえば以前、私が覚えたての「Starry Night」を叩いていた時に、普段プレイに関しては何も言わない人が驚いてくれたことがあった。自分にはその右手の動きは出来ない、と。また、別の人からは、私が弾いていても弾いてなくても、私とギターの話になると必ず「●●さんはタッピングくノ一でしょ」と言われる。冷静に考えて、これはアリなのかもしれない。
それから他にちょっぴり困っていたのが、唯一の手持ちのエレキが7弦だということ。昔、渡米直後にペトルーシが好きでコピーしたかったから買った。でもここ数年、これじゃやだ、普通に弾ける6弦のストラトが欲しい…と、思い立ってからもう5年は過ぎた。行動に移していない上、これといった望みのスペックはあまりない。じゃあ、いらないんだよねきっと。
そのまま7弦でいいじゃないか。このギター、(音は腕がないからまだアレだけど)ネックの薄さをはじめ弾き心地はお気に入りだもん。リフを刻むのを捨てたのなら、そのままベース担当として使えばいいじゃないか。。
楽なことしかやらないのは逃げだ、ちゃんとある程度の速さで均等にピッキングできなきゃやだ、オールマイティがいいんだ…なんて義務的に思っていたけど、そうじゃなくて、好きだからこそ可能性が広がるし、追求しようと思う。何より、弾く意欲が湧く。どうせどんなに好きだったって、一晩でモノになるわけじゃないんだし。「7弦でタッピングだけ弾く」。今自分が持っているものに目を向けて伸ばしていくだけで、自分だけのプレイスタイルが作れそうな気がする。
素直に楽しんで研究する。それだけできれば、十分だな!
趣味とはいえ、こんな気持になれたことで、なんか、長年の重荷がいろいろ楽になった…。たぶんライヴのせいなんだけど、キコさんみたいな自分の尊敬するギター・ヒーローに実際に会ってお話できて、感化されない方がおかしいよね! いやー幸せだなあ。
はい、仕事に戻ります!!
がんばろ!!
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