サンダルがぺろっと剥がれたらどうします? 直します?

「これは長く持ちませんよ〜。どうします?」

最近中古で買ったブラジル製のサンダルの底が、初めて剥がれかけた時のこと。
地下鉄の駅のそばにある靴の修理屋さんに見せたら、早速こんな風に言われてしまった。それでも背に腹は代えられない、今は仕事のお昼休みだもん、家に帰るまでこれを履いてなきゃ。先は長くないことを承知で、その日は接着剤でくっつけてもらった。

それから2〜3週間経ったのか…。今日、まさに会社に向かう途中、反対側のサンダルの様子がおかしい。「そろそろくるな」と思っていたら、な なんと…

べろーん

と、足に直接当たる部分を残してまるごと剥がれてしまった。

うん、こいつは本気で新しい靴を探さないと。しかし、そばの靴屋に入るのはどうも気が引ける…と、剥がれた靴底を片手にぺたぺた歩き、「これを捨てなきゃ」と小道に入ってゴミ箱がないか探し…

ちょっと待て。
餅は餅屋。靴は靴屋。
おとなしく靴屋に行こう。

そこで、改めて大通りに戻り、いつも素通りする靴屋さんにぺたぺたと入って行った。

「これはひどい作りだなあ。直します?」




「いえ、もういいです。ちょっと新しいのを探させて下さい」


さて、こういう、なんも考えてない時、「買おう」と狙いを定めていない時に限って当たりを引くことができる。

ただ、今日は予想外だったのでそのカンが働くか、全く分からなかった。ただ、母が東京滞在中に呪文のように唱えていたブランド名を思い出したぐらい。むむ、そのブランド、結構置いてあるなあ。

およ?

素敵な黒いサンダル。かなりシンプルだけど、ベルトの編み紐がさりげなくいい感じ。しかし履いてみたら、まずサイズがピッタリ。何より素材が気持ちいい。シンプルだと思ったベルトは意外とおしゃれ。そして元値のほぼ半額。

「では、これ履いて行きます」

所要時間、10分弱。
あ、お金は払ったよ。

予想外の出来事にしては、とてもとてもとてもいい買い物ができた。こんな短時間でここまで満足いくものを手に入れたのは初めてではなかろうか。ちなみに、壊れたサンダルの額を入れたら、ちょうど新サンダルの元値に近い値段になる。

革なので、もうちょっと慣れが必要だけど、何より足の裏が当たる部分(底…と言っていいのか?)の素材がいつまでも履いていたくなるぐらい気持ちよくってねえ(笑)。

何故かサンダルを壊れるまで履きつぶす事が多いけど、そのたびにまたいいものに巡り会えるので、嬉しいな。




しかし、靴底を手に持って歩くほど恥ずかしいことって、ないよね。
正面から見えにくいように、持つ向きを考えたもんね。
周りの人がみんな私に注目してるんじゃないかと思って、気が気じゃなかった…。

い、今何時なんだ…やばい…

あ…前のサンダルも、かわいくて好きだったよ。ごめんね。ありがとう。

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