ウェブ戦略とミュージシャン:Facebook編
主に洋楽のジャンルでの、Facebookページの使われ方まとめ。ソーシャルメディアによって距離が縮まったアーティストとファンの間でFacebookがどんな役割を果たしているのか、感じた事を書いてみた。ちょっとメタル系に偏り気味だけど、他ジャンルにもアピールするところはあると思う。
では、こんな感じで。
◆1公式サイトとの使い分け
◆2活動形態による発信内容
◆3双方向のコミュニケーション
・併用型:公式サイトに更新情報を載せ、それをFacebookのニュースフィードに転載する方法
・依存型:公式サイトはあくまで「バンドのイメージ」と「動かない情報(バイオ、ディスコグラフィなど)」を伝える名刺の役割のみを果たし、日々の更新情報や追加コンテンツは総てFacebookやTwitterから第一発信する方法
【公式HPの存在】
Facebookは、ウェルカムページを作ればバンドの顔となるイメージが出せるものの、基本的には伝説的バンドもこれからビッグになる新人も、みんな画一デザインフォーマット。だから、最新アルバムのアートワークと連携させて作りこんだHPの存在は大事だし、衰えないと思う。大体がバンド名ドットコムでしょ、やっぱり「http://Facebook.com/俺のバンド」なんて嫌じゃん。そのかわり、SNS関連リンクが張られている事はもはや標準仕様。フィア・ファクトリーみたいに顔だけ作るバンドもいる。ただ、CMSなどを導入して公式サイトの更新をしやすくしているバンドは、Facebook更新がおざなりになる可能性もあり。
リリース情報(後ほど、さらに分解して話す)
・試聴音源公開
・アートワーク公開
・レコーディング風景の動画、写真
ライヴ情報
・ツアー日程の公開(スケジュール機能を使う、Googleカレンダーなどを同期させるなど)
・追加、変更、キャンセルのお知らせ(投稿)
・位置情報チェックイン、もしくはGoogleマップなどでツアー地を公開
・終演後のありがとうメッセージの投稿
・公演ごと、ツアーごとにカテゴリー分けして写真アルバムを作成
・ヒストリーを投稿
例:ピンク・フロイド 32年前の今日、『THE WALL』ツアーが始まった、とか。
→「いいね!」が集まったり「俺そのライヴ行ったよー、感動した」ってコメントが付いたりする。メモリアル「いいね!」は絶対に共感を呼ぶ。ちょっと懐古主義かもしれないが、これは大切。あなたの青春時代、原動力、初期衝動、とか、ね。
・グッズやリリース情報
例:ディオ
毎日、公式グッズショップや過去アルバム、アンソロジーなどの紹介。
ジミ・ヘンドリックス
バンド・オブ・ジプシーズのメンバーも出演するトリビュート・ライヴ”EXPERIENCE HENDRIX”の告知、アーカイヴ的なiPad公式アプリ『Jimi Hendrix』の紹介など。
【日本では露出が少ないアーティスト】
「あの人は今」になりがちなミュージシャンも、Facebookページを「いいね!」しておけば、本国でのミニ・ライヴやクリニック、個人レッスンの告知といった、活動の様子がリアルタイムで自分のニュースフィードに入ってくる。
例:先週リハを行なった写真が掲載されているエリック・ジョンソン、アンディ・ティモンズのライヴ情報など
●試聴音源の限定公開
ストリーミングが基本で、発売より前に公開。フル尺の場合と抜粋の場合がある。
・いいね!してくれた人だけに聞かせてくれるものが多い
・PVや音源の初公開の場所を、ウェブ雑誌やレーベルなど1つの媒体サイト限定にする場合(Metal Hammer、Music Rador、Roadrunnerのイギリスサイト)。後々一般的にシェア出来るようになる。また、媒体側はインタビューというコンテンツも同時に用意している事が多い
・シェアボタンを押して友達などと共有したら聴ける、というものもある(リッチー・コッツェン)
例:最新作発売前に「This Is The Life」のPVが公開されたMusic Radar
※ドリーム・シアターはこの時、1曲ごとに違うメディアで限定公開を行なっていた。大規模プロモーションだね。
【ちなみに、リリース後は】
発売から数日後、バンドの公式サイトにて全曲がストリーミング再生されるケースが多い。中にはレニー・クラヴィッツみたいにレーベル・サイトで発売直前に限定フルストリーミング(もちろん全曲)したケースも。
・投稿で質問を投げかける(それにファンがコメントを付ける)
例:「今度のライヴで何が聴きたい?」とセットリストのリクエストを募ったり
「スレイヤーのアルバムで何が一番好き?」とアンケートしてみたり
「なんでみんな、俺が神を信じてるって言ったらびっくりするんだ?」と、身の回りに起こった出来事をつぶやいてみたり
【アンケート替わりにもなるクエスチョン機能、今は使われてるんだろうか?】
以前は使う人達が結構いた。これは、クエスチョンに答えるとその行動が友達のフィードに反映される。
「血液型おしえて」という一般的なものから企業アンケート的なものまで、選択肢から答えを選んで答える(選択肢は追加することも可能)。そして回答すると、「●●さんが「血液型おしえて!」に「わからない」と答えました」……という情報がクエスチョンのリンクと共に友達や自分のフィードに表示される。
…けど。
最近は通常の近況投稿ボックスに質問が書かれ、そのコメント欄にみんなが答えやら意見やらを書いていくものの方がよく見かけられる、かも。確かにシンプルでわかりやすいし、コメント数が反応数になるので解析にも◎。
ね。
・プレゼント・キャンペーン
例1:トリヴィアム
フェイスブックページをいいね!してくれているファンが百万人に達したことを記念に、ファンの中から1名様にギターをプレゼント。いいね!しさえすれば応募条件を満たす、という話だったはず。
→キャンペーンのおかげもあったのか、いいねしてくれる人がさらに1万人増えた。
例2:TCエレクトロニック日本支社
・エフェクトボード・コンペティションを開催(自分のペダルボードの写真を撮ってTCのフィードに投稿する)→優秀者にKenKenのサイン入りペダルが当たる
例3:TCエレクトロニック本家
・TC本家のウォールかどこかに、サージ・タンキアン(もとシステム・オブ・ア・ダウン)のソロ作品の中で好きな曲を書き込む→当選者はサージと一時間Skypeでギター・セッションしてもらえる
【ちなみに、当選後】
「当選者にはメールを送ったのでチェックしてね」という投稿に当選者が「当たった!」とコメントし、それに誰かが「いいね!」する。コミュニケーションの連鎖は終わらない。
とりあえず今日はこんなところで。
++++Now playing.... 太田裕美の曲 ++++
では、こんな感じで。
◆1公式サイトとの使い分け
◆2活動形態による発信内容
◆3双方向のコミュニケーション
◆1公式サイトとの使い分け
・併用型:公式サイトに更新情報を載せ、それをFacebookのニュースフィードに転載する方法
・依存型:公式サイトはあくまで「バンドのイメージ」と「動かない情報(バイオ、ディスコグラフィなど)」を伝える名刺の役割のみを果たし、日々の更新情報や追加コンテンツは総てFacebookやTwitterから第一発信する方法
【公式HPの存在】
Facebookは、ウェルカムページを作ればバンドの顔となるイメージが出せるものの、基本的には伝説的バンドもこれからビッグになる新人も、みんな画一デザインフォーマット。だから、最新アルバムのアートワークと連携させて作りこんだHPの存在は大事だし、衰えないと思う。大体がバンド名ドットコムでしょ、やっぱり「http://Facebook.com/俺のバンド」なんて嫌じゃん。そのかわり、SNS関連リンクが張られている事はもはや標準仕様。フィア・ファクトリーみたいに顔だけ作るバンドもいる。ただ、CMSなどを導入して公式サイトの更新をしやすくしているバンドは、Facebook更新がおざなりになる可能性もあり。
◆2活動形態による発信内容
その1:作品リリースやライヴなど、現在活発に動きのあるアーティスト
リリース情報(後ほど、さらに分解して話す)
・試聴音源公開
・アートワーク公開
・レコーディング風景の動画、写真
ライヴ情報
・ツアー日程の公開(スケジュール機能を使う、Googleカレンダーなどを同期させるなど)
・追加、変更、キャンセルのお知らせ(投稿)
・位置情報チェックイン、もしくはGoogleマップなどでツアー地を公開
・終演後のありがとうメッセージの投稿
・公演ごと、ツアーごとにカテゴリー分けして写真アルバムを作成
その2:解散や逝去により動きのない(少ない)アーティスト
・ヒストリーを投稿
例:ピンク・フロイド 32年前の今日、『THE WALL』ツアーが始まった、とか。
→「いいね!」が集まったり「俺そのライヴ行ったよー、感動した」ってコメントが付いたりする。メモリアル「いいね!」は絶対に共感を呼ぶ。ちょっと懐古主義かもしれないが、これは大切。あなたの青春時代、原動力、初期衝動、とか、ね。
・グッズやリリース情報
例:ディオ
毎日、公式グッズショップや過去アルバム、アンソロジーなどの紹介。
ジミ・ヘンドリックス
バンド・オブ・ジプシーズのメンバーも出演するトリビュート・ライヴ”EXPERIENCE HENDRIX”の告知、アーカイヴ的なiPad公式アプリ『Jimi Hendrix』の紹介など。
【日本では露出が少ないアーティスト】
「あの人は今」になりがちなミュージシャンも、Facebookページを「いいね!」しておけば、本国でのミニ・ライヴやクリニック、個人レッスンの告知といった、活動の様子がリアルタイムで自分のニュースフィードに入ってくる。
例:先週リハを行なった写真が掲載されているエリック・ジョンソン、アンディ・ティモンズのライヴ情報など
<その1詳細:リリース前の新作情報の出し方>
●試聴音源の限定公開
ストリーミングが基本で、発売より前に公開。フル尺の場合と抜粋の場合がある。
・いいね!してくれた人だけに聞かせてくれるものが多い
・PVや音源の初公開の場所を、ウェブ雑誌やレーベルなど1つの媒体サイト限定にする場合(Metal Hammer、Music Rador、Roadrunnerのイギリスサイト)。後々一般的にシェア出来るようになる。また、媒体側はインタビューというコンテンツも同時に用意している事が多い
・シェアボタンを押して友達などと共有したら聴ける、というものもある(リッチー・コッツェン)
例:最新作発売前に「This Is The Life」のPVが公開されたMusic Radar
※ドリーム・シアターはこの時、1曲ごとに違うメディアで限定公開を行なっていた。大規模プロモーションだね。
【ちなみに、リリース後は】
発売から数日後、バンドの公式サイトにて全曲がストリーミング再生されるケースが多い。中にはレニー・クラヴィッツみたいにレーベル・サイトで発売直前に限定フルストリーミング(もちろん全曲)したケースも。
◆3アーティストとファン、双方向のコミュニケーション
・投稿で質問を投げかける(それにファンがコメントを付ける)
例:「今度のライヴで何が聴きたい?」とセットリストのリクエストを募ったり
「スレイヤーのアルバムで何が一番好き?」とアンケートしてみたり
「なんでみんな、俺が神を信じてるって言ったらびっくりするんだ?」と、身の回りに起こった出来事をつぶやいてみたり
【アンケート替わりにもなるクエスチョン機能、今は使われてるんだろうか?】
以前は使う人達が結構いた。これは、クエスチョンに答えるとその行動が友達のフィードに反映される。
「血液型おしえて」という一般的なものから企業アンケート的なものまで、選択肢から答えを選んで答える(選択肢は追加することも可能)。そして回答すると、「●●さんが「血液型おしえて!」に「わからない」と答えました」……という情報がクエスチョンのリンクと共に友達や自分のフィードに表示される。
…けど。
最近は通常の近況投稿ボックスに質問が書かれ、そのコメント欄にみんなが答えやら意見やらを書いていくものの方がよく見かけられる、かも。確かにシンプルでわかりやすいし、コメント数が反応数になるので解析にも◎。
ね。
・プレゼント・キャンペーン
例1:トリヴィアム
フェイスブックページをいいね!してくれているファンが百万人に達したことを記念に、ファンの中から1名様にギターをプレゼント。いいね!しさえすれば応募条件を満たす、という話だったはず。
→キャンペーンのおかげもあったのか、いいねしてくれる人がさらに1万人増えた。
例2:TCエレクトロニック日本支社
・エフェクトボード・コンペティションを開催(自分のペダルボードの写真を撮ってTCのフィードに投稿する)→優秀者にKenKenのサイン入りペダルが当たる
例3:TCエレクトロニック本家
・TC本家のウォールかどこかに、サージ・タンキアン(もとシステム・オブ・ア・ダウン)のソロ作品の中で好きな曲を書き込む→当選者はサージと一時間Skypeでギター・セッションしてもらえる
【ちなみに、当選後】
「当選者にはメールを送ったのでチェックしてね」という投稿に当選者が「当たった!」とコメントし、それに誰かが「いいね!」する。コミュニケーションの連鎖は終わらない。
とりあえず今日はこんなところで。
++++Now playing.... 太田裕美の曲 ++++
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