ドリーム・シアター 2008/01/15 live @ 武道館

2008年1月。武道館でドリーム・シアターのライヴを観られる。そして、日本でたった1回きりの公演。それを思うだけでも、よくこの時に東京に居合わせてラッキーだったな、と思う。

開演前の会場には、ポーキュパイン・ツリーの最新作の曲が流れていた。私の席はアリーナのほぼ真ん中という、大変良い場所。全体的によく見えそう。前の人がちょっと背が高いけど、全く見えない訳じゃないから良いかな。

いつもそうだけど、今回もまた、緊張感でドキドキしっぱなし…その中でほぼ定刻にライヴが始まる。出だしはいきなり新作のシングル曲となった、「Constant Motion」から! うわーパワフルだなあ。そして次は「Never Enough」。ヘヴィでノリが良くて、好きな曲ばかり。この曲はイントロでジョンがリフを左手だけで弾いているのを観るのがいいのだ。

続いて、思わぬイントロから始まった「Surrounded」。ジョンがゆっくりとコードを弾いていたけど、なるほど、あれは確かに原曲の2個のサス・コード。スローでポップで、全く雰囲気を変えた長いインスト・セクションを織り込んだアレンジになっていた。
原曲に入ってからは、なんでもないバッキングか何かの途中に、ジョンがドラムの方に近づいていった。インストでもないのに…と不思議に思ったら、弾きながらそのままドラムの台に上がって入って、キットの中の空いている方の椅子に腰掛けてマイクと並んで弾くっていうサプライズ!(笑) ペトルーシもびっくりしていたらしい(笑)。『IMAGES AND WORDS』のライヴで激しいパフォーマンスを見せた後は、“基本的に動かない人”になっていたけど、いつぞやのマイアング・タックルといい、新作のメイキング風景での姿といい、思わぬ所で面白いなあ(笑)。

そして「The Dark Eternal Night」。こんなカッコイイ曲を次々とやってしまっていいのか! これも、メタルなリフが素晴らしく良い。インストはもちろん、ギター・ソロも最高。

ペトルーシは新しいギターを抱えて弾きまくる。チューニングがしょっちゅう変わるんだろうけど、色違いのギターがあれこれあって面白かった。ステージ中央には、わざわざ特別にワウ・ペダルが用意されていて、ソロみたいな見せ場に来るとそこまで出てきて弾きまくるっていう、まさに“ギタリスト”なパフォーマンス。しかも、超〜〜〜楽しそうに余裕で弾きまくってる。何しろ、最近特に歌心のあるソロが多い! Part 1とPart 2を一続きにしてやってくれた「In The Presence Of Enemies」をアルバム通りに弾いてくれたので、それはそれは歌いまくった(指は動かないけどね/汗)。ちなみに、この曲のPart 2の方ではジョンがフェイザーを使ってゆっくりとルートを弾き、ダークなムードを醸し出していたのにも注目。

ジェイムズの声もどこまでも伸びるぐらいとっても良くて、ジョーダンは常に楽しそうにたくさんのキーボードやショルダー・キーボードを弾き分けている。ショルダー抱えて出てくると、ペトルーシと2人でツイン・リードを弾きまくり。これがかなりのハイライトで、もはやさんざん2人の凄いところは見せてもらってきたつもりだけど、改めてニコニコ顔で延々と高速3連符をハモり続けられると、やっぱり口がポカーンと…(笑)。
マイクのドラムも相変わらず堅実でラウド。2つのドラム・キットを自在に操りながら観客をあおり、バッキング・コーラスを執りつつボクシングのパンチングボールをつつくという、ネタも緻密に組み込んだ(笑)多彩なパフォーマンスを最大限に繰り広げている。

ジョンが現在使っている新しいベース、ミュージックマンの“BONGO”は、最初見た時にはお世辞にも“かっこええ”とは思えなかったけど(笑)、見慣れるにつれて格好良く思えてくる、かも? また、プレイを観ていて思わず“鉄壁”という言葉が思い浮かんだ。的確じゃないかもしれないけど、特にツアー中は常に練習している事で有名なジョンだけど、明らかに上手くなっていると感じた。強靱な安定感というか、微動だにしないのに、楽器に叩き付る両手が凄いリズムを生み出すというか…。決して音量が上がった訳じゃないけど、低音は比較的がっちり出るし、高音に移ってもわりとしっかりアタック音が聴こえていたのが印象的だった。ハーモニクスのソロをどうやってるのか、悩み続けて早10年!?にもなる「Lines In The Sand」もフルでプレイしてくれたので、一瞬の見せ場をしっかりキャッチ出来た。意外とシンプルなのね。でも弾けないぞ(笑)。

時々バックに映し出されるスクリーンのアニメが、最高に面白かった。前作のツアーで「Octavarium」の時に登場したのと同じ画風で、メンバーがアニメ・キャラクターになって個性たっぷりに(弾きながら)動いている。インストがつまらないと感じる人でも、これに釘付けになったりして。あくまで弾きながら動いてる、っていう設定がいい。早くまた観られないかな〜。それまでは、このキャラのイラスト入りTシャツで我慢しよう(笑)。

「Forsaken」などの比較的ゆっくりした曲を随所に挟んで、本当に緩急(長短も)付けての演奏が続く。同じくゆっくり目な方に入る「Misunderstood」もやったけど、これが感動した。ジョンが本来のチェロ・パートを、エッジを立てた音で弓を引きずるような効果を出し、かつ伸ばし気味に弾いている。そして、あの静かな中で「It challenges the essence of my soul...」とヴォーカルが響く部分。これが何とも胸にぐっと来る瞬間で、とても良かった。

本編は「Take The Time」で終了(ここでもペト&ジョーダンの弾きまくり大会が!! でも、未だ余裕の表情だった/笑)。
アンコールには、後で気付いたけどアルバムのエンディングをくっつけてメドレーにしていたという、素敵な終わり方だった。1回きりのショウ。長い曲ばっかりな上に膨大なレパートリーを持つバンドのことだ。やっぱりメドレーでおいしい所を拾ってくれないとね!(笑) これもまた最初からとても良くて、「Trial Of Tears」のイントロ中に、ネタ元となるラッシュの「Xanadu」の一節をペトルーシが奏でる瞬間が観られてとても良かった。いつかはこれをやってくれると思ったのよ〜! また、サビの所で「It's raining in Tokyo city」と歌ってくれた時(いつもやる事ではあるけど)、突然前日に雨が降りそうな夜空を見上げた瞬間が思い出されて、一瞬泣けてしまった。<雨も降らなかったのに(笑) 「In The Name Of God」では、ジョンがこの日初めてベースを持ち替えた。それまではシングル&ハムのモデルだったけど、ここで使ったのは1ハムのもの。確かに音違う。それとチューニングかな?

ラストは「Octavarium」に繋げて終わったわけだけど、本当にあっという間の3時間だった。休憩中には誰かがカヴァーした「Lifting Shadows Off A Dream」のストリングス・ヴァージョン(その美しさに大半の人のハートをとらえたはず)とか、終演後には「The Dark Eternal Night」のラップ調(恐ろしくハマっている!)などを流すなど、本物・ファンを問わずDTの世界にすっかり浸れた武道館。本当に観られて良かった!!


<セットリスト>
Constant Motion
Never Enough
Surrounded (new version)
The Dark Eternal Night
Lines In The Sand
Forsaken
Ministry Of Lost Souls
In The Presence Of Enemies Pt1.~Pt.2
Home
Misunderstood
Take The Time

Trial Of Tears(Xanadu intro)
Finally Free
In The Name Of God
Octavarium

Comments

  1. Anonymous12:05 AM

    うお-、凄いライブだったんですね!
    megさんの素晴らしいレポのお陰で
    ライブ風景が簡単に想像できますよ!
    ホンマ行きたかったなぁ~。

    マイアングも奇怪な行動を取ったのですか?
    良いですね!ベースを担いだままでの
    タックルも伝説ですが、たまに
    「えっ!」って思うことをするのがまた
    渋いんですよね!前回のライブ終了時に
    マイアングと握手する機会があったのですが
    その腕は太く、手のひらはメチャクチャ
    硬かったので、この腕と手の硬さは
    練習の賜物だなと、その時気付きました。
    彼はホンマ必殺仕事人ですね!

    いつもライブ行って思うのですが
    ラブリエ、歌上手過ぎですよね!
    魅了されまくりです。メンバー全員そう
    ですが、来る度に一段と進化しているので
    その超絶プレーに溜息しかでないです
    よねぇ。しかも顔余裕であんな超絶プレーを
    するなんざ、ありえへん!

    僕の大好きなTake The TimeとFinally Freeやったのですね!羨ましいなぁ~。
    これで6:00やytsejamとかをやられたら
    僕は即死です。

    今度お会いした時に色々聞かせて下さいね!
    長々となってしまいすみませーん!

    ReplyDelete
  2. 必殺仕事人!いいですね!(笑) ほんとにベースが好き+絶対に努力を忘れない所が秘訣なんでしょうね。
    それに、全員、完璧余裕で弾いてた気がします…。上限が上がったので、7割ぐらいの力でもの凄い安定感を出せると言うか。驚異的だ〜(@_@)



    今度、ぜひぜひしゃべりまくりましょう!

    ReplyDelete

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