2002/10/28 RUSH live in Boston

RUSHのライブが見れるなんて感動もいいとこだった。Dream Theaterのアメリカツアーが終わった直後に偶然ツアー予定を発見して、勢いで購入してこの日を待った。Dream
Theaterの大先輩であるRUSH。少し聴けばどれだけ彼等から影響を受けているかよくわかる。それだけじゃない、本当にたくさんのバンドがRUSHを尊敬している。私も友達から教えてもらって、2年前からハマっていた。聴く時期に波はあっても、メロディーやリフのかっこよさは忘れられなかった。

この日は、同じくRUSHが大好きだというバイトの友達と一緒に行く事にした。彼の方がリアルタイムで聴いているので、相当楽しみにしている様だった。


Fleet Centerは、Dream TheaterがライブをやったFleet Boston Pavilionとは違う場所で(よく間違えるので一応注意書き/笑)、普段はNBAのバスケットボールの試合が行われている体育館だ。(ついでに、Fleet(フリート)とはボストンのメインの銀行の名前。二つともここ主催の建物みたい。)2万人収容、ときいて、今までそんな大規模なコンサートには縁がなかったので、どのくらいステージが見えるのかな…という期待と不安があった。


ついに会場に辿り着いた。なんじゃこれは!

デカすぎる!!

本当に本当に、こんな光景はTVでしか見た事がない。はるか下の方にステージがあって、その前に座席がたくさん並べてあって、その後はギャラリー。右の写真の黄色いのは、全部座席。私の席はそのギャラリーの2階だった。しかもその上にもまだ席があって、とにかく椅子だらけ。天井から床まで一体何百メートルあるんだろう…。あまりの広さに呆然となった。おまけに寒い。


ステージの後方には大きなスクリーンがあった。あそこに映像が映るのかな。そういえばShow of handsのビデオでも見たけど、RUSHは映像関係には昔から凝っていた。時代の流れと共にきっとパワーアップしてるのでは…。後で、その予想は当たっていた。次に目についたのは洗濯機。三つの白い洗濯機がドラムの右側にあって、ずっと中で何かが回っている。中の一つだけ窓が赤くて、両隣りは白かった。なんだ?何に使われるのかな?他には特に何も見えなかった。やはり遠いものは遠い。


客席の間を縫う様に、オーダーをとる会場の係の人がお酒や食べ物を山程運んで行ったり来たりしていた。む、おなかすいたな。ライブは腹ごしらえが基本…。


定刻の7時30分をかなり過ぎてから、会場が暗くなった。凄い歓声が上がる。


そして、Tom Sawyerが始まった。


RUSHが演奏してた!!あのキーボードのイントロが聴こえて、スクリーンにGeddyの顔が映って歌っていた。それを見た、聴いたその瞬間、もう泣き出しそうになって、胸がいっぱいで、ずっとびっくりしていた。RUSHが歌ってる。あの人達が演奏してる。かっこよかった。Tom
Sawyerだよ!!大好きな曲。凄い。3人がステージで演奏していた。それだけでもう感動した。インストの一部で、Geddyが片足を上げて歩いて(?)くれた。凄い〜本物見ちゃった〜。Neilはとてもとてもとてもかっこよかった。顔が映って、あの真剣にドラムを叩く所がとても良かった。この音大好き。大きなキットで、遠くから見ても迫力あった。Alexもよかったけど最初、誰だかわからなかった(^^;


2曲目は曲は知ってるけど名前がわからない。そんな曲がいくつもいくつもあった。もっと勉強してくればよかった!これだけたくさんアルバムが出てると、どれから聴いていいかわからない。これからしばらくRUSH漬けだ。最近までMetallicaにハマっていて、近い内にビデオを学校で全部見てやるぞ!という数週間前の決意は既にどこかに飛んでいた。


3曲目は新作から。GeddyがHello, Bostonと話し掛けてくれた。「楽しんでくれるといいな…新しいファンも、古いファンも、おっかないのもね」(笑)(英語でいうと、「New
fans, old fans, scary ones」。韻を踏んでいた。)この頃、そろそろ私はスクリーンに映る物が相当凄い事に気付き始めていた。ドラムとギターなど、二人が別のカメラにおさまっている所をとてもきれいに混ぜて、自然な一つの映像に仕上げている所に感動した。またグラフィックもとてもきれいで音楽にぴったりと合っていて、メンバーの映像と上手く切り替えて織りまぜている。それがとても質の高い、かっこいいムービーで、線や円などが動く簡単な物から写真満載の複雑な物まで、時には心を奪われる様に見る事もあった。


知ってるのに歌えない曲ばかりで苦労していた頃に、トライアングルの音が聴こえた。モールス信号の「-.--.---..」YYZ!!YYZ!ぎゃー!かっこいい……。それから、The
Spirit of Radioもやったり、古い曲も新しい曲もいろいろ。もっとも、私ははっきりした知識を持たずに来てしまったので何が新しくて古いのかあやふやではあった。でも、雰囲気がとても良くて、凄く楽しくて、Dream
Theaterによくあるような速いテンポの曲はないけど、リフやキメで頭ふったりして、Neilのたたくシンバルが目に見えるよりほんのわずかだけど遅れて聴こえてくるような距離にいても、その熱気は十分伝わっていた。

周りの人達ももちろん皆ノっていて、隣のセクションの人達は総立ち。前の列では、何か凄いプレイやソロが出て来る度に、持ってるビールで乾杯してる人達がいた。私のいるセクションの人はほとんど座っていたけど、おじさんが1人、変わったキメで立ち上がって手を高々と上げたり、イントロのドラムのキメの一音に合わせて頭上で手をぱちんと叩いたりしていた。すぐ前にいる二人組の若い青年達は(私と同い年くらい?)双眼鏡持参で終始わくわくどきどき(伝わってくる)。1人はセットリストをA5のノートに一生懸命メモっていた。ショウの途中に、私の一席空けて右隣に、おじいさんが1人やってきた。動きもゆっくりで、大丈夫かな…?と心配する程よろよろしていたけど、席についたらじっと耳を傾けている様だった。聴いてるかな…?と思っていたら、彼もセットリストをメモっていた。お見それしました。


あっという間に最初のセットが過ぎて、9時前に休憩が入った。スクリーンには夜明け前の山の様な風景が出ていた。おなかすいたのでお金をおろして(Fleet
CenterでFleetのカードを使う、ちょっとおもしろい)プレッツェル一つとチーズを買った。チーズっていうから何がくるのかと思っていたら、小さなカップいっぱいのとろとろチェダーチーズだった。ピリ辛で、プレッツェルをつけて食べるとおいしかった。慌てて席に戻って腹ごしらえしてるうちに、映像が少しずつ動いていた。夜明けはだんだん朝になっていく。

明るくなってや山々がはっきり見えて来るにつれて、スクリーンは山のふもとにクローズアップ。きれいなCGだ。するとどかーんと音がして、爆発の様な物が見えた。だんだん大きくなったら、それは火を吹いているドラゴンだった。空の飛べる茶色のドラゴン。とても大きくて足を踏みならすと地面が揺れる。でも目をぎょろっとさせて、何だかコミカルだった。そのうち巻たばこを取り出して、…、ボォーッと火を吹いてたばこに火をつけて、吸って鼻から煙を吐いた。大笑い。なんなんだ〜。今度は暴れ出し、わめいて、スクリーンに向かって、後ろにのけぞって思いきり火炎放射攻撃!


ボォーッ…ドカーン


パイロが上がった。


パ、パイロだ!!初めて見た!ステージ後方には6個のパイロが置いてあって、そこからどかーんと火が出た。演奏も同時に始まり、曲はOne
Little Victory
。新作の1曲目だ。相当な衝撃だった。かっこいい〜〜〜〜〜!!サビをさんざん歌った。曲が進む間にも、もちろんドラゴンは動き続けていて、RUSHのバックステージパスを手に持っていた。何やってるんだ?と思ったらそれに火を吹いて灰にしてしまった。すると客席に非難されたかの様に、逆ギレして怒り出した。火を吹く。向かって左端にボォーッとやったら、左端のパイロが本当に火を上げた。おお!こわ(笑)凄い。ぴったり。全て、ぴったり。ドラゴンはばつが悪くなったらしく、白旗を振った。(爆)こっちは大爆笑だった。このライブ、ビデオになるべきだよ。まるでビデオクリップを見てるみたい。


Dreamlineでは、イントロのアルペジオに合わせて緑色のレーザー光線が動いた。この大きな会場いっぱいに光が長細く延びて、すごくかっこよかった。スクリーンに工場でカーレースするCGムービーが流れる曲があって、その感じからCut
to the chase
かなと思った。チェイスしてる二人のキャラクターの顔が、追っかけてる方がどう考えてもGeddyで(にやりと笑ってる口しか見えないけど)、追っかけられてる方がAlexだった。こんなにグラフィック凝ってると凄い。スクリーン見てるだけでも曲のストーリーがよくわかる。Freewillもやった。かなり好きな曲。この曲も映像テクが冴えていて、歌っているGeddyの映像がサビの最後と同時に止まって、回転縮小しながらひゅるるるるっと消えていった。すごい!!2回目の所では縦に切り刻まれて上下にゆらゆら激しく揺れて消えた。最後の3回目は激しさを増して、めちゃくちゃに歪められていた。うまい。リアルタイムで映像キャプチャーして加工!Geddyのハイトーンもここでも健在。忘れられない。


ドラムソロもあった。やった!!!!これ待ってた!叩きまくって、マリンバもやって、何もかもやってくれた。かっこいい。言い過ぎても足りないくらい。どこからどこまでもMike
Portnoyのアイドルだ(フレーズやアクションが一緒)。たくさんの連打の後にタムをどん!と叩いたら、エコーが聞こえた。Neil何でもできるっていうけどこれもまさか自分でやってるんじゃ、と思ったら、そうではなくて、ドラムキットが動いて半回転して、後ろにあったもう一つのドラムキットが顔を出した。そっちはエレクトリック。がーん。囲まれていたのだった。(そういや前からそうでしたよね)それからのプレイも凄い。スクリーンにも顔が映って、かっこよさ倍増。ノレるリズムでキレるフレーズを出す。だんだん、叩くとトランペット等のブラスの音が出るようになってきて、それがコードになってきて、前だったらここで終わりだけど、ここでなんとスクリーンが50年代のクラブやバーでダンスする人達のレトロな映像に切り替わって、ダンス曲が始まった!おかしかった。今やNeilは、ビッグバンドの演奏に合わせて叩いてるドラマーの1人。彼自身の映像も白黒にされて混ざっていた(笑)最高におかしかった。最後のドラムソロも、スクリーンでスーツ姿の人が狂った様に叩きまくる。おもしろかった。

ソロタイムが終わると、挨拶なしにNeilは引っ込んでいった。かっこよかったよ〜〜。


 


今度はGeddyとAlexのアコースティックソング。二人ともギターを持って1曲歌った。(Resistかな?)きれいな曲だった。が、最後にAlexがギターを高くかかげてエレキの様にかき鳴らしたので、Geddyが彼を見つめた。怖じ気付くAlex、そんでGeddyに肩をどんっと突き飛ばされる(笑)逃げる様にして「Thank
you!」と言いながら、ワープみたいな音と共にばたばたと消えていった二人。あはは。


一瞬ステージ全体が暗くなって、スクリーンに赤みがかった銀河系が現れた。


うおおぉぉおぉぉおおお!!!


この夜一番の大歓声!凄い!だんだん焦点が変わって、一筋の光が中心に見える。それも次第に大きくなって、鳴り響く低いサウンドの音量も上がってきた。マークが見える。このどきどきが何ともいえない。人の形もはっきりしてきた。いやーもうぅぅううう!!もちろん、次の曲は2112の最初だった。リフが最高。Neilが、叩きながらスティックをくるくる回す。キメの間ではさっきの壮絶プレイとは裏腹に、シンプルに1回転(笑)「Hey! Hey! Hey!」とかけ声も入って楽しかった。

Red Sector Aでは、変な顔なし人間のグラフィックが、中腰で両手を前に突き出した格好でずっと動いていて、曲に合わせて起き上がったり上を向いたりして踊っていた。1人じゃなくてコピーペーストされたようにたくさんいたので、気味悪かった(笑)

Roll The Bonesでは骸骨が出て来た。中間の「Jack-relax」から、声に合わせて歌っていた。自分の頭を転がして遊んでいた。グラフィック効果はまだ続く。とある曲では、TVアニメみたいな映像が出た。二人の人がマッチョ比べをしていて腕の筋肉をお互いに競っていた。1人はGeddy、もう1人はAlex。筋肉を出し過ぎて力を使い過ぎて、最後には二人とも飛んでいってしまった。すると椅子に座って本を読んでいるコミカルなNeilが映る。彼の顔のまゆげだけがぴくっと動いた(笑)次は、Geddyの顔した犬とAlexの顔した猫みたいな動物が部屋を猛烈に走り回って競争していた。ソファに座っているNeilが最後にアップになり、また眉毛だけが動いた(爆)ぷっ。


2セット目もあっという間に終わり、メンバーは1度引っ込んだ。スクリーンに出たのはVapor Trailsのジャケット。ゆらゆらと燃えている球体が浮かんでいた。帰って来たら、洗濯機を初めて止めて、中からTシャツを取り出して客席に投げていた。そうだったのね。それだけだったみたい(笑)洗濯機ね〜。アンコールも長くやってくれて、凄く楽しかった。Leave
That Thing Alone!
がかっこよかった。聴きたい曲は全部聴けたし、他のたくさんの曲にも出会えたし、最高の満足度だった。


帰る時にまた友達と落ち合って、感想を話し合った。友達は「やっと見る事ができて、ついに夢の一つが叶った!」と、とてもうれしそうだった。このチケット大事に取っておこう、と言ったので、「私も…」と言おうとして口を開いたら、二人とも同時に「I
always keep...」って言ってた(笑)会場を出てTの駅に向かうと、入り口付近にストリート・ミュージシャンがいた。よくいる、バケツ類を叩いてお金を集めてる人。かなり上手かったけど、なんかそんな物は遥かに超越するような凄いドラマーを観た後で、それを聴くのも変な感じだった。


やった!!!楽しかった!











SET LIST(ほとんど順不同)





Tom Sawyer

Ghost Rider

YYZ

Natural Science

The Spirit of Radio

Free Will

Secret Touch

Ghost of A Chance

Everyday Glory(?)

Dreamline

One Little Victory

Cut to the Chase

Red Sector A

Drum Solo

Resist(?)

2112

Roll the Bones

Earthshine

Stick it Out

Distant Early Warning

By-tor and the Snow Dog

Driven

Jacob's Ladder(?)

Leave That Thing Alone!





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